第2章 和・差・実数倍

ベクトルの計算を、矢印のつなぎ方として理解する。

社会でどう使う?

移動経路は小さな移動の合計です。配送経路、ゲームキャラクターの移動、ロボットの動作では「今の移動に次の移動を足す」という考え方が基本になります。

1今日の世界の切り替え

図形 → ベクトル → 計算

「AからBへ、次にBからCへ」は、ベクトルでは $\vec{AB}+\vec{BC}=\vec{AC}$ と書けます。計算では成分を足します。

基本ルール
$$\vec{a}+\vec{b},\qquad \vec{a}-\vec{b}=\vec{a}+(-\vec{b}),\qquad t\vec{a}$$

和は矢印をつなぐ。差は逆向きを足す。実数倍は向きを保った拡大縮小で、負の数なら反対向きです。

2矢印をつないで足す

モードを切り替えて、和・差・実数倍が図でどう変わるか確認しましょう。

3式を立てる段階と計算する段階

お題
AからBへ進み、次にBからCへ進む。全体の移動を表す。
STEP 1
$\vec{AB}+\vec{BC}$
まず図形の移動をベクトルの式にする。
STEP 2
$\vec{AB}+\vec{BC}=\vec{AC}$
矢印をつなぐと、AからCへの移動になる。
頻出ミス
  • $\vec{BA}$ と $\vec{AB}$ の向きを混同する。
  • $\vec{a}-\vec{b}$ を「短い方から長い方を引く」のように長さで判断する。
  • $-2\vec{a}$ を「長さが負」と考える。実際は反対向きに2倍です。

4練習問題

練習 1矢印の和
$\vec{AB}+\vec{BC}$ と等しいものは?
ヒントAからB、BからCへ矢印をつなげます。
解説

移動をつなぐと、全体ではAからCへ進むので $\vec{AB}+\vec{BC}=\vec{AC}$ です。

練習 2逆ベクトル
$-\vec{AB}$ と等しいものは?
ヒントマイナスは反対向きです。
解説

$-\vec{AB}$ はAからBの反対向きなので、BからAへの $\vec{BA}$ です。

練習 3差の意味
$\vec{a}-\vec{b}$ の説明として正しいものは?
ヒント引き算は「逆向きを足す」に直します。
解説

$\vec{a}-\vec{b}$ は $\vec{b}$ の逆向き $-\vec{b}$ を足す操作です。

練習 4実数倍
$\vec{a}$ が右に2、上に1の移動を表すとき、$3\vec{a}$ は右に何、上に何? 右の移動量を答えよう。
右:
ヒント右方向の2を3倍します。
解説

$3\vec{a}$ は右に $2\times3=6$、上に $1\times3=3$ です。

練習 5移動文章題
倉庫ロボットが「東に4m、北に1m」進み、次に「西に1m、北に3m」進む。全体では東に何m?
東: m
ヒント西は東方向のマイナスです。
解説

東方向だけを見ると $4+(-1)=3$。全体では東に3m、北に4mです。