第4章 位置ベクトルと内分点

点の場所をベクトルで表し、内分点・中点・重心を式で扱う。

社会でどう使う?

地図上の中継点、倉庫ロボットの待機位置、UI部品の中央配置などでは、2点の間の「どの割合の場所か」を計算します。内分点はその考え方を数学的に表す道具です。

1今日の世界の切り替え

点の場所をベクトルで表す

基準点Oを決めると、点Aの位置は $\vec{OA}$ で表せます。この $\vec{OA}$ を点Aの位置ベクトルと考えます。

内分点の公式

点PがABを $m:n$ に内分するとき、位置ベクトルは

$$\vec{OP}=\frac{n\vec{OA}+m\vec{OB}}{m+n}$$

係数は「近い点」ではなく「反対側の比」が掛かるので注意します。

2比を動かして内分点を見る

点PがABを $m:n$ に内分するとき、$AP:PB=m:n$ です。スライダーで比を変えて、Pの位置を確認しましょう。

3式を立ててから計算する

A$(1,2)$、B$(7,5)$ を $2:1$ に内分する点Pを求めます。

お題
$AP:PB=2:1$ の点P。
STEP 1
$P=\dfrac{1A+2B}{2+1}$
反対側の比が掛かる。Aには1、Bには2。
STEP 2
$\left(\dfrac{1\cdot1+2\cdot7}{3},\dfrac{1\cdot2+2\cdot5}{3}\right)$
座標ごとに計算する。
STEP 3
$(5,4)$
PはBに近い。比の感覚とも一致する。
頻出ミス
  • $AP:PB=m:n$ のとき、Aにm、Bにnを掛けてしまう。
  • 中点なのに平均を取らず、片方の座標だけを見る。
  • 位置ベクトルと普通のベクトルを区別せず、基準点Oを見失う。

4練習問題

練習 1位置ベクトル
点Aの位置ベクトルとして最も自然な表し方は?
ヒント基準点OからAへ向かう矢印です。
解説

位置ベクトルは基準点Oからその点へ向かうベクトルなので $\vec{OA}$ です。

練習 2中点
A$(2,3)$、B$(8,5)$ の中点のx座標は?
x座標:
ヒント2と8の平均です。
解説

中点は $\left(\frac{2+8}{2},\frac{3+5}{2}\right)=(5,4)$ です。

練習 3内分点
A$(0,0)$、B$(6,3)$ を $1:2$ に内分する点Pのx座標は?
x座標:
ヒントAB全体の3分の1だけAから進みます。
解説

$AP:PB=1:2$ なのでPはAからBへ3分の1の位置。x座標は $0+(6-0)\times\frac13=2$ です。

練習 4重心
三角形の頂点が A$(0,0)$、B$(6,0)$、C$(0,3)$ のとき、重心のx座標は?
x座標:
ヒントx座標3つの平均です。
解説

重心は $\left(\frac{0+6+0}{3},\frac{0+0+3}{3}\right)=(2,1)$ です。

練習 5仕事で使う文章題
倉庫の通路上で、A地点からB地点までの距離を $2:3$ に分ける中継点Pを置く。PはAから全体の何分の何だけ進んだ点? 分数は「2/5」のように入力。
答え:
ヒント全体は $2+3=5$ 等分です。
解説

APは2、PBは3なので、AからPまでは全体の $\frac{2}{5}$ です。座標公式の係数とは分けて考えると混乱しにくくなります。