第5章 図形条件を式にする
平行・一直線上・係数比較を使い、図形問題をベクトルで処理する。
社会でどう使う?
地図上の経路が同じ向きか、ロボットの移動が予定ルート上にあるか、画面部品が同一直線上に並ぶかを判断するとき、図形条件を数式へ直す考え方が役立ちます。
1今日の世界の切り替え
平行$\vec{a}=t\vec{b}$ と表せる。
一直線上$\vec{AP}=t\vec{AB}$ と表せる。
係数比較基準ベクトルがそろっていれば、係数同士を比べる。
平行条件
$$\vec{a}\parallel\vec{b}\quad\Longleftrightarrow\quad \vec{a}=t\vec{b}\quad(t\text{ は実数})$$
向きが同じまたは反対で、長さだけが違うなら平行です。
2平行条件を目で見る
倍率 $t$ を変えると、向きが同じまま長さだけ変わります。$t$ が負なら反対向きですが、直線としては平行です。
3図形条件を式に翻訳する
「PがAB上にある」を、ベクトルの式に直します。
頻出ミス
- 平行を「長さが同じ」と勘違いする。
- 一直線上を示すのに、平行条件だけでなく始点の関係も見落とす。
- 基準ベクトルがそろっていないのに係数比較をする。
4練習問題
練習 1平行条件
$\vec{a}=(2,3)$、$\vec{b}=(4,6)$ の関係は?
ヒント
$\vec{b}=2\vec{a}$ です。解説
$(4,6)=2(2,3)$ なので、2本のベクトルは平行です。
練習 2倍率
$(6,-9)=t(2,-3)$ のとき、$t$ は?
t:
ヒント
x成分で見ると $6=2t$ です。解説
$6=2t$ より $t=3$。y成分も $-9=3(-3)$ で一致します。
練習 3一直線上
A$(0,0)$、B$(4,2)$、P$(2,1)$ は一直線上にある?
ヒント
$\vec{AP}$ と $\vec{AB}$ を比べます。解説
$\vec{AP}=(2,1)$、$\vec{AB}=(4,2)=2(2,1)$ なので平行です。Aを共有しているので一直線上にあります。
練習 4未知数を求める
$(2,5)$ と $(6,y)$ が平行になるとき、$y$ は?
y:
ヒント
第2のベクトルは第1のベクトルの3倍です。解説
x成分より倍率は3。したがって $y=5\times3=15$ です。
練習 5仕事で使う文章題
ロボットの予定ルートは移動ベクトル $(3,2)$ の方向。実際の移動が $(9,6)$ なら、予定ルートの何倍進んだ?
倍率:
ヒント
x成分の比とy成分の比が一致するか確認します。解説
$(9,6)=3(3,2)$ なので、予定ルートの方向に3倍進んでいます。